生活を補うもの〜障害者への福祉・障害年金

身体障害者手帳

一定の病状の心臓病患者は、身体障害者福祉法における心臓機能障害と認定されます。国や自治体の福祉制度を受けられることを証明するための手帳です。心臓病の程度によって等級(心臓機能障害は1、3、4級)があり、それにより受けられる福祉施策の範囲も違います。(ペースメーカー装着者と人工弁移植者・弁置換患者はすべて1級に認定されます)

身体障害者手帳の交付を受けていることで主に次のような制度が受けられます。これ以外にも自治体ごとに独自に行っている制度などもありますので、手帳取得の際によく説明をうけましょう。

〔身体障害者手帳で受けられる制度の例〕

  • 税の減額…本人または保護者の所得税と住民税の控除、自動車取得税の減免
  • 医療費の補助…更生医療、自治体の障害者医療費助成制度
  • 交通運賃の割引…JR等の交通運賃、航空運賃、高速道路利用料金など
  • 補装具の支給…車イス(手押し・電動)など
  • 雇用援助…障害者雇用促進法による就労支援
  • 障害者総合支援法による福祉施策…施設入所、ホームヘルプサービスなど

手当や年金の支給

心臓病児を育てている親または患者は、以下のような手当と障害年金の支給が受けられます。身体障害者手帳を持っていなくても申請できます。ただし、それぞれに患者が日常生活上に支障をきたすなどの一定の認定基準があります。申請をして支給が決まった翌月からの支給になります。また、一度該当しても、心臓病のように内部障害の場合は決められた期間で届け出を出さなければならず(現況届)、その際に等級の見直しにより降級や支給停止になることがあるので気をつけましょう。

〔主な手当・年金の額〕(金額は2017年4月現在)※毎年見直しがあります

特別児童扶養手当 月額 1級 51,450円
2級 34,270円
障害児福祉手当 14,580円
障害基礎年金 1級 81,176円(年額974,112円)
2級 64,941円(年額779,292円)
特別障害者手当 26,810円
□ 特別児童扶養手当

20歳未満の心臓病児を介護する保護者に支給される手当です。日常生活における介助の必要な度合いに応じて認定されます。障害の程度に応じて1級と2級があります。(身体障害者手帳の等級とは違います) 乳幼児でも受給できますので、病名の診断がついたらすみやかに申請しましょう。ただし、世帯の所得状況が一定以上の場合には支給されないこともあります。申請窓口は市区町村です。

□ 障害児福祉手当

20歳未満で、特に重症な障害児が受けられます。特別児童扶養手当とあわせて申請をしましょう。世帯の所得に応じた所得制限があります。申請窓口は市町村の役所です。

□ 障害年金

20歳以降で一定の障害がある場合には(認定基準は身体障害者手帳の等級とは違います)障害年金の支給を受けることができます。受けられる年金制度は、初診日(障害の原因になる疾患で医療機関にかかった日)に加入していた年金制度から支給されます。先天性心疾患で申請する場合には「20歳前障害」となるので、厚生年金に加入した後に状態が悪化して基準に該当しても、障害基礎年金のみしか受けられません。

〔障害基礎年金〕

日常生活上で支障がある状態にある場合には障害基礎年金が受けられます。障害程度に応じて1級と2級の等級があります。受給者本人が一定の所得以上であるときは減額または支給されないことがあります。申請窓口は市町村です。

〔障害厚生、共済年金〕

厚生年金・共済年金などに加入している間に初診日があり、日常生活上もしくは就労に支障がある場合には、障害厚生年金または障害共済年金が受けられます。障害程度に応じて1~3級まで等級があります。年金額は勤めていた時の標準報酬月額と加入期間の月数に応じて障害基礎年金に上乗せされた金額です。事業所を統括する社会保険事務所に相談しましょう。

□ 特別障害者手当

20才以上で日常生活において常時特別な介護が必要な人に対して支給される手当です。受給者もしくはその配偶者又は扶養義務者の前年の所得が一定の額以上であるときは支給されません。申請窓口は市区町村の役所です。

□ 審査に納得がいかないときは(不服申し立て制度)

行政が決定したことに対して納得がいかない時には不服申し立てを行うことができます。(審査請求)裁判で争うことなく、「簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度」であり、国民の「権利利益の救済を図る」「行政の適正な運営を確保する」ことを目的として、行政不服審査法により定められているものです。申し立ては、処分が決定したことを知った日の翌日から3カ月以内に、決定した処分庁に対して行います。 あきらめないで、疑問な点があったら「全国心臓病の子どもを守る会」までご相談ください。

※制度の詳細については新版『心臓病児者の幸せのために~病気と制度の解説』をご覧ください。