心臓病の医療費への助成制度

医療費の仕組み

病気やケガなどで病院にかかったときの医療費は、加入している健康保険から年齢に応じた割合で自己負担があり、その負担が大きい障害者や慢性疾患・難病などの患者に対しては、国や自治体が助成をする制度(公的医療費助成)があります。公的医療保険による自己負担は、小学校入学前の子どもは2割、69歳までは3割、高齢者は1~3割の負担となっており、一定の負担金額を超えた部分は「高額療養費制度」により還付されます。

ただし、入院時の食事代は一部負担金があります。また、先進医療や差額ベッドなどの保険が適用されない医療の負担もあります。それらは、公的助成の対象にならないことが多いので気をつけなければいけません。

手術にかかる医療費助成(自立支援医療=障害者総合支援法)

障害を軽減することを目的として、国と都道府県(または指定都市)からの補助があります。心臓病の場合には心臓手術がそれに該当します。患者負担は医療費の1割ですが、18歳未満(育成医療)では特例の負担軽減措置があります。18歳以上(更生医療)になると軽減措置はなく、医療費が一定額を超えた場合の負担限度額は高額療養費の上限となります。

□ 子どもの手術=自立支援医療(育成医療)

18歳未満の心臓病児の手術費用自己負担部分について、補助する制度です。手術の日が決まったらすぐに申請しましょう。利用者負担は、所得に応じた軽減措置があります。(別表参照)申請窓口は居住している市区町村です。

□ 18歳以上の手術=自立支援医療(更生医療)

18歳以上で身体障害者手帳を所持している心臓病者の手術費用の自己負担部分を助成する制度です。利用者負担は定率(1割)で、健康保険の高額療養費の負担上限額が患者負担額となります。申請窓口は居住している市区町村です。

小児慢性特定疾病・難病患者への医療費助成

小児慢性特定疾病の子どもや難病患者には、治療費の負担を軽減するために、国と都道府県(指定都市・中核市)による医療費の助成があります。心疾患も対象となりますが、疾患名や病状で一定の基準を満たしていることが条件となります。

□ 小児慢性特定疾病医療費助成(児童福祉法)

18歳未満(継続の場合は20歳まで)の心臓病児の治療にかかわる費用を助成する制度です。ただし、疾患名ごとの基準があり、経過観察や、症状が軽症で投薬がない場合などは適用されません。所得に応じた自己負担限度額(図参照)を超えた部分を公費で助成します。入院中の食事代も一部助成されます。申請窓口は居住している都道府県(指定都市・中核市)です。

□ 指定難病の医療費助成(難病法の医療費助成)

指定難病の認定を受けている病気は「指定難病」として治療費の一部が助成されます。心疾患では以下の疾患で、「重症度区分」(NYHA心機能分類Ⅱ度以上)にあてはまる場合には「指定難病」として助成を受けることができます。所得に応じた自己負担限度額(別表参照)を超えた部分を公費で助成します。申請窓口は居住している都道府県(指定都市・中核市)です。

拡張型心筋症 拘束型心筋症 肥大型心筋症 無脾症候群 多脾症候群 総動脈幹遺残症 完全大血管転位症 修正大血管転位症 三尖弁閉鎖症 肺動脈閉鎖症   左心低形成症候群 単心室症 ファロー四徴症 両大血管右室起始症 エプスタイン病
(以下は2017年4月から)
先天性三尖弁狭窄症 先天性僧帽弁狭窄症 先天性肺静脈狭窄症(肺静脈狭窄) 左肺動脈右肺動脈起始症

自治体の費用補助

□ 乳幼児・子ども医療費助成制度

すべての自治体で、子どもの時期にかかる医療費の助成を行っています。自立支援医療や小児慢性特定疾病の公費医療費助成の自己負担分も助成の対象となります。自治体によって対象の年齢や自己負担額、所得制限などが異なります。

□ 重度障害者医療費助成制度

すべての自治体で障害者が医療にかかるときの医療費の助成が行われています。身体障害者手帳、精神障害保健福祉手帳、療育手帳を持っていることなどが要件で、手帳の等級などの該当要件は自治体ごとにより違います。また、自己負担額や所得制限が設けられているところもあります。障害者手帳の交付を受ける際にあわせて申請をしましょう。

親の付添い・交通費の助成

□ 入院時の家族のための滞在施設

病気の治療のために遠方の専門医療機関にかかる場合には、付き添いの家族が安価で宿泊できる滞在施設があります。運営は、病院や公益法人などの民間で行っており、その施設の窓口に直接申し込みをします。利用する家族が多い施設は、空きがないことが多いので、入院が決まったらすぐに問い合わせをしましょう。(新版『心臓病児者の幸せのために』に施設の一覧が掲載されています)

□ 通院費の補助

通院のための患者と家族の交通費には国の助成はありません。自治体によっては、小児慢性特定疾病や難病、障害者が県外に治療に行く時に補助を出しているところがありますので、医療費助成の申請の時に問い合わせてみてください。

※制度の詳細については新版『心臓病児者の幸せのために~病気と制度の解説』をご覧ください。